ピアノの才能とは?〜 ピアノ講師として今、伝えたいこと〜
こんばんは。さいたま市南区、武蔵浦和でピアノ・リトミック教室を主宰しております。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
日々、教室で鍵盤に向き合う生徒さんたちの真っ直ぐな背中を見守りながら、私は時々こんなことを考えます。
「ピアノを弾く才能って、一体どこにあるんだろう?」
世間では、コンクールで入賞したり、難曲をスラスラと弾きこなしたりする人を見て、人は簡単に「あの人は才能があるから」と言います。
しかし、長く講師として多くの子供達に携わってきた私が見つけた答えは、少し違います。
今日は、今まさに「自分には向いていないかも……」と一人で悩んでいるあなたへ。
そして、我が子の練習を見守りながら「この子に才能はあるのかしら」と不安を感じている親御様へ。
私の心からの想いをお話しさせてください。
「最初から弾ける人」なんて、この世に一人もいない
まず、最初にお伝えしたい真実があります。
それは、「最初から魔法のように指が動く人なんて、この世に一人もいない」ということです。
楽譜の音が読めなくて、何度も何度も手が止まる。
指が思うように動かず、もどかしくて鍵盤を叩きたくなる。
昨日まで弾けたはずのフレーズが、なぜか今日は指に絡まって弾けない。
発表会でスラスラ弾く友達を見て、「自分には向いていない」と暗い気持ちになる。
これらはすべて、ピアノを学ぶ誰もが必ず通る道です。そして、私自身もまた、その道を這いつくばるようにして歩んできた一人です。
華やかで、軽やかで、聴く人の心を震わせる演奏。
その裏側には、人に見せることのない「不器用な時間」が山のように、それこそ気が遠くなるほど積み重なっています。
ピアノという楽器は、その積み重ねた時間だけが、最後に音となって表れる正直な楽器なのです。
「才能」という言葉の、意外な正体
では、壁にぶつかったときにスッと乗り越えていく人と、立ち止まってしまう人の違いはどこにあるのでしょうか。
世間で言う「才能の有無」でしょうか?
いいえ、私はそうは思いません。
私がこれまで見てきた中で、最も「才能」を感じたのは、「好きでい続けたこと」、ただそれだけです。
練習が嫌で、悔しくて、ピアノの蓋を閉めて「もうやめてしまおう」と思う夜もあるかもしれません。
けれど、翌朝になるとやっぱりピアノの前に座ってしまう。耳に残っているあのメロディを、いつか自分の指で完成させたいという願いが、胸の奥でどうしても消えない。
この「あきらめきれなかった想い」こそが、後から振り返ったときに、周りの人から「才能」と呼ばれるものの正体なのです。
多くの人は、結果だけを見て「才能」と呼びます。しかし、その中身を分解してみれば、
そこにあるのは「情熱」でも「天才的なひらめき」でもなく、「継続」です。
あきらめなかった時間の積み重ねが、熟成されるようにして、いつの間にか「技術」という名の「才能」へ姿を変えていくのです。
成長は「一直線の坂道」ではない
ピアノの上達について、多くの方が誤解していることがあります。
それは「練習量に比例して、右肩上がりに上達する」というイメージです。
実際は違います。ピアノの成長は、「階段状」なのです。
一生懸命練習しているのに、一週間、一ヶ月、何の変化も感じられない時期があります。
「自分は停滞している」「後退しているんじゃないか」と不安になる時期です。
しかし、脳と体の中では、着実に新しい回路が作られています。
そしてある日突然、霧が晴れるように
\「あ、弾ける!」という瞬間がやってきます。/
視界が開け、指が勝手に動き出すあの感覚。その「一段登った景色」を見るためには、踊り場で足踏みをする時間が必要不可欠なのです。
今、もしあなたが「向いていないかも」と立ち止まっているのなら、それはあなたが「理想の音楽」をしっかりと持っている証拠です。
「もっと美しく響かせたい」「もっと滑らかに動かしたい」という高い理想があるからこそ、現状とのギャップに苦しんでいる。
それは、最も大切な「感性」が育っている証拠であり、決して否定すべきことではありません。
苦しんでいるのは、あなたが真剣である証なのです。
親御様へ:お子様の「停滞」を信じてあげてください
ご家庭で練習を見守る親御様にとっても、お子様が足踏みしている姿を見るのは辛いことかもしれません。
「向いていないなら、無理に続けさせなくても……」と迷われることもあるでしょう。
ですが、どうかお子様の「あきらめきれない気持ち」を信じてあげてください。
「才能があるから続く」のではありません。
「続けたから、才能になった」のです。
子供の頃に身につけた「壁を乗り越える力」や「自分を信じて継続する力」は、ピアノの技術以上に、その後の人生を支える大きな財産になります。
音楽を通じて得られるのは、音感やリズム感だけではありません。
自分の感情を音に乗せ、自分を表現し、困難を克服していくという「生きる力」そのものなのです。
ピアノは、一生の友だち
ピアノは、良いときも悪いときも、常にあなたの傍にいてくれる一生の友だちです。
焦らなくても大丈夫。コンクールに間に合わなくても、周りより進みが遅くても、それはあなたの音楽の価値を何一つ下げはしません。
大切なのは、今日一日の練習で、一音でも「あ、今の音、綺麗だな」と思える瞬間を見つけること。
その小さな感動の積み重ねが、あなただけの特別な「音」を作っていきます。
「才能」という言葉に縛られず、あなたのペースで、また明日から一音一音を大切に紡いでいきましょう。
レッスンでは、ピアノの技術だけを教える場所ではなく、そんな生徒さん一人ひとりに寄り添い、共に育んでいく場所でありたいと思っています。
焦らなくても大丈夫。あなたのペースで、また明日から、一音一音を大切に紡いでいきましょう。
教室で、あなたの音に出会えるのを楽しみに待っています。
さいたま市南区ピアノ・リトミック教室 ミュージックハウス(武蔵浦和駅・浦和・中浦和)
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