私が一番嬉しいこと
ピアノの先生という仕事をしていて、「何が一番嬉しいですか?」と聞かれることがあります。
生徒さんの成長に立ち会えること、保護者の方から感謝の言葉をいただけること、
どれも心に残る、大切でありがたい瞬間です。
もちろん、生徒さんが少しずつ上達していく姿を間近で見られるのは、指導者として大きな喜びです。
「前はこの曲が難しくて指が追いつかなかったのに、今はスムーズに弾けているなあ。」
そんな小さな変化に気づけるのが、日々のレッスンの醍醐味でもあります。
弾き終わったあとに「できた!」と笑顔で話してくれるその姿を見ると、
「この子の人生に、ほんの少しでも音楽を通して力になれたかな」と、静かに喜びをかみしめるのです。
また、レッスン後にお母さまやお父さまから「先生、いつもありがとうございます」と声をかけていただけることも、本当にありがたく思っています。
お子さんがピアノに打ち込めるようにと、日々サポートをしてくださる保護者の皆さまの存在なくしては、レッスンも成り立ちません。
その中で感謝の言葉をいただけるのは、指導者として嬉しい瞬間です。
でも…
実はそれ以上に、私の心に強く残るのは、たった一言、
「ピアノが好き」
と、生徒さんが言ってくれた時なんです。
練習が思うように進まなかったり、音符を読むのが難しかったり、
最初は「よくわからないけど、なんとなく通ってる」という子もいます。
でも、ある日ふとした瞬間に、キラキラした目で「ピアノって楽しい!」と笑ってくれることがあるんです。
そのとき、私は「この子の中に音楽がちゃんと根づいている。」と感じます。
うまく弾けることも、発表会で成功することももちろん素晴らしい。
けれど、その根底に「音楽が好き」「ピアノが好き」という気持ちがなければ、長くは続きません。
逆に、心からピアノを楽しめるようになった子は、自分のペースで必ず育っていきます。
私は、音楽の素晴らしさ、ピアノの楽しさを伝えることが、自分の役目だと思っています。
ただ曲を教えるだけではなく、その子にとって音楽が「自分を表現できる大切なもの」になってほしい。
そのために、寄り添いながら、一人一人の心の中にある「音楽の芽」を大切に育てていきたいのです。
だから、「ピアノが好き」と言われたとき、私は心の中でそっとガッツポーズをします。
それは、上手に弾けるようになったということ以上に、
\音楽の楽しさを感じてもらえたという、何より嬉しい証だからです。/
これからも一人でも多くの生徒さんに、
「ピアノって楽しい」「音楽っていいな」
そんなふうに思ってもらえるように、丁寧にレッスンをしていきたいと思います。

