ピアノ教室を卒業する前に身につけたい「一生モノの力」
ピアノのレッスンには、いつか必ず終わりが来ます。
理由はさまざまですが、生徒さんが教室の扉を最後に叩く日は、いつか必ずやってくるものです。
私が大事にしているのは、教室を卒業してからも、自分の力で好きな曲を見つけ、自由に、そして自分の力で奏でられる「自立した音楽の力」です。
音楽の自由を手に入れるための「読譜力」
自立してピアノを楽しむために、私がレッスンで最も大切にしていることの一つが「読譜力(どくふりょく)」です。
楽譜を読む力は、「地図を読み解く力」に似ています。
地図さえ読めれば、誰かに手を引かれなくても、自分の行きたい場所へどこへでも行けるようになります。
「先生に弾き方を見せてもらわないと弾けない」
「耳で聞いた音を覚えて弾いているだけ」
それでは、教室を離れたときに、新しい音楽の世界を自分で開拓することができません。
だからこそ私は、時間はかかっても、生徒さんが自分の目で楽譜の言葉を読み解き、一音一音に込められた意味を理解するプロセスを、根気強くサポートしたいと考えています。
「自分で読める」という自信が、壁を乗り越える力になる
読譜力が身につくと、練習の質が劇的に変わります。
「ここはどう弾くんだっけ?」と迷ったとき、必ず楽譜に答えがあります。
指番号の意味を理解し、弾きやすい道筋を自分で見つける。
リズムの仕組みを紐解き、複雑な重なりをパズルのように解いていく。
こうした「自分で読んで弾けた!」という小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな自信へと繋がります。
音楽は、人生に寄り添う「一生の友人」
想像してみてください。
教室を卒業して何年も経ったある日、ふと耳にした曲に心を動かされ、楽器店で楽譜を手に取る。そして、自分の力で自由に弾くことができたらどんなに素敵でしょうか。
自分の力で楽譜を読み、奏でられる力さえあれば、音楽は一生の友人として、人生をどこまでも豊かに、鮮やかに彩り続けてくれます。
いつか私が隣にいなくなっても、自分の力でどこまでも高く、自由に飛んでいけるように。
そんな願いを込めて、今日も一人ひとりの生徒さんの歩みに寄り添います。

